PMマイスター紹介
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長谷川 義幸  〔 宇宙航空研究開発機構 客員 〕
【 自己紹介 】
長谷川 義幸  私はアポロ11号が月面着陸のTV中継を学生時代に食い入るようにみていた。当時の雰囲気では未知への挑戦だったので成功は半々だろうと予測されていたのを、どうやって成功させたのか、人間を遠方の月から安全に地球に帰還させる有人安全の技術とはなんだろうかに関心があった。オイルショックの年で就職難だったが、宇宙開発事業団(現JAXA)に入社でき放送衛星や気象衛星、技術試験衛星などの運用管制システムの開発に従事してきた。幸い、40歳になるころ希望していた国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」開発プロジェクトに従事できることになった。「きぼう」開発の仕事に従事してから、世界の宇宙機関を束ねるNASAのプロジェクトマネジャ―たちと業務を通じて密な付き合いをすることになった。ISS計画の中では宇宙実験室などやったこともない日本は新参者だった。このため、本当に、大丈夫か?とNASAから何回も念をおされたり、米国企業からは我々と契約すればなんでもしてあげる。というようなことを言われた。実績のない日本は、「こども扱いだった」。米国の財政赤字や政治状況に翻弄されISSの見直しを何回もさせられ、スペースシャトルの事故によりロシアの宇宙船で宇宙飛行士を輸送することになったり、シャトルの退役により「きぼう」の打ち上げができない恐れもでてきたり、難題が次から次へ降りかかってきた。これらの出来事によりNASAの有人宇宙開発のメッカであるジョンソン宇宙センターのつわものたちとがっぷり四つになってNASAのプロジェクトマネジメントの具体的な手法を学ぶことになった。そして、自らの「きぼう」や「こうのとり」開発と運用のマネジメントに応用してきた。リーダーの3つのキーワードは、「組織目標と自分の意図を明示し、チーム員に示す。」「現実を客観的にとらえる眼力とそれに適応して判断できる柔軟性をもつ。」そして「チーム員の心を集める人間味と度胸をもつ。」
 大海の中を大きくゆすられた「きぼう」であるが、プロジェクトマネジメントのおかげで、2008年~2009年にかけての「きぼう」日本実験棟建設成功やISS無人補給船HTV「こうのとり」の成功につながった。そして、現在打ち上げから10年を迎え米ロ欧加日の5極15か国が参加する超大型国際共同プロジェクトISSでの日本の立場は、「きぼう」と「こうのとり」により重要な位置を確保している。
 私がこのプロジェクトマネジメントで得たものは、プロジェクトを行うには想定外の事態にどう対処してゆくのか、リーダーの泥臭い人間力が必要となるということだった。
【 資格 】 日本通訳検定協会英語部門3級
【 活動 】
総合研究大学院大学 PM概論集中講義講師
JST プログラムマネジャー育成講師
人材育成会社、企業、団体、大学院でのPM研修講演
【 著作 】
JAXAの仕事術 監修 (JMAM)
「きぼう」のつくりかた:国際宇宙ステーションのプロジェクトマネジメント(地人書館)
刊行予定
【 賞 】
米国Aviaion Week and Space Technology 社2010年ローレル賞受賞
(ISSを成功に導いたプログラム・マネジメントに対してNASA、ロシア、欧州、カナダ宇宙機関プログラム・マネジャーとの共同受賞)
日本航空宇宙学会より2010年度技術賞(プロジェクト部門)受賞
(「きぼう」を成功に導いた技術達成に対して開発企業との共同受賞)
PMAJ特別賞 2014年
【 経歴 】
国際宇宙ステーション(ISS)プロジェクトに1989年から参加。
日本で初めての有人宇宙実験室「きぼう」のシステム開発に従事。
NASAとプログラム交渉や技術調整を行って「きぼう」を軌道上の運用に導いた。
この業務と並行して日本人宇宙飛行士の選抜・訓練、管制要員の訓練制度整備および運用システムの開発にも携わる。
「きぼう」プロジェクト・マネジャー、国際宇宙ステーションプログラム・マネジャーを経て、JAXA理事。その後技術参与。2016年3月退職。2016年4月より現職。

・ 1976 年 4 月 : 宇宙開発事業団 入社。
・ 1987 年 4 月まで通信、放送、気象、地球観測衛星の衛星管制システムの
  開発と運用に従事。(1年間NASA ジェット推進研究所に留学。)
・ 1987年から1989年 : 宇宙通信株式会社(現 : スカパーJSAT)に出向。
・ 1989年から2008 年 10 月 : 宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」開発に従事
  (2003年より「きぼう」プロジェクトマネジャー)
・ 2007年8月 : 国際宇宙ステーションプログラムマネージャ
・ 2009 年 4 月 : 宇宙航空研究開発機構 執行役、
  有人ミッションと月惑星探査プログラム統括兼務。
・ 2011年8月 : 有人宇宙ミッション本部長と月惑星探査プログラム責任者
  有人本部では、国際宇宙ステーション「きぼう」開発・運用・実験無人補給機「こうのとり」の1号から5号機開発と運用、次世代国際有人宇宙探査構想(月周回有人基地構想)を世界14機関参加の国際宇宙探査調整グループで共同検討(2011年から2013年 : 議長)
月惑星探査部門で「はやぶさ」の地球帰還計画と実施、回収したカプセルの科学研究推進、「はやぶさ2」立上げに従事
・ 2015年4月より、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 技術参与(非常勤)
・ 2016年4月より、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 客員
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