P2M普及・推進部会コーナー
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P2Mを活用した価値創造の広がり(7)
― 全社レベルでの活用(経営構造・理論・人財の各機能) ―

PMAJ P2M普及・推進部会 藤澤 正則 : 6月号

「P2Mを仕事に活かしている方々の声」

 2025年12月より、実践されている方々の実践内容から、「P2Mを活用した価値創造の広がり」として、「活動領域・適用したP2Mの分野・執筆者(または実践者)の視点」、「価値の視点」、「構造の視点」、「人の視点」について、事例分析を行い、連載を進めてきました。
 これまでの調査研究を通じて見えてきた結論は明確です。
 P2Mは、特別な人のための専門技法ではなく、日々の仕事の中で“守りながら変える”ことに悩む多くの実務者のための実践知であるということです。
 P2Mと会社の業務の関係性を下記のように定義します。
 会社の定常業務のマネジメントは、現在の価値を生み続ける基盤となっています。
 一方、変化(改革・改善・DX・新規事業など)を実現する仕事は、プロジェクトとして実行され、将来の定常業務へと移行・定着していきます。このように、日常業務を止めることなく、複数のプロジェクトを連携させ、価値実現まで回し続け、情報を循環・再生産を行うことで、持続的な価値創造を実現していきます。
 6月号では、これまでを分析してきました全社レベルにおけるP2M活用の構造を、『経営構造・理論機能(全社的な仕組み・共通言語の構築)』『価値創出・実践機能(現場での具体的な価値創造)』『人財・変革推進機能(コーポレート・スタッフによる支援、自律的組織化)』の3つの機能(役割)から整理します。今回はこれらを踏まえ、3階層の第1弾として**『全社レベルにおける3つの機能』に焦点を当て、その構造を掘り下げます。

  1. 1. 『経営構造・理論機能』におけるP2M活用の定義と構造
    全社レベルにおいて、P2Mは単なるプロジェクト管理の枠を超え、「経営戦略を確実に実行し、企業価値・社会価値を創造するための実践知」として位置付けられています。
  2. ① 定常業務と変革の循環
    会社の定常業務(現在の価値創出基盤)を維持しつつ、DXや新規事業などの変革をプロジェクトとして実行し、それを将来の定常業務へと定着させることで、持続的な価値創造を実現します。
  3. ② 3つの階層によるアプローチ
    全社レベルの活動は、その役割に応じて以下の3つの層で整理されます。
層(分類) 全社レベル(経営・戦略・社会)の活動内容 期待される成果
「価値創出・実践機能」 全社PM標準の策定、共通言語化、P2M資格取得の義務化、PMリテラシーの向上 組織の「底力」を上げ、戦略実行の確実性を高める
「経営構造・理論機能」 経営・戦略理論(EA、ESG、統合報告など)との接続、P2Mの経営理論としての位置付け 複雑な経営課題を構造的に理解し、理論的な裏付けを持つ
「人財・変革推進機能」 戦略型事業運営、サステナビリティ経営による企業価値・社会価値の創出 持続可能な成長と、社会に対する具体的な価値提供

  1. 2. 『経営構造・理論機能』での実践事例(企業の経営計画・戦略)
    「P2M活用事例集」における、全社レベルの主要な実践事例(Voice 1~7)の分析結果は以下の通りです。
  2. ① 戦略型事業運営の確立:
    中小企業において、P2Mを「学習する組織」づくりの軸とし、戦略とプログラムを連鎖させる仕組みを構築しています(Voice 1)。
  3. ② 中期経営計画への適用
    経営企画や中期計画にP2Mを適用し、ミドル層が主体となって価値創造を推進する「ミドルアップ&ダウン」を実践しています(Voice 2)。
  4. ③ 統合報告書と戦略の統合
    統合報告書の作成を「戦略型プログラム」と捉え、ESGや価値創造ストーリーを構造化することで、ステークホルダーとの対話を促進しています(Voice 3)。
  5. ④ ビジョン達成のプログラム化
    経営ビジョンから具体的な施策への落とし込みに「ミッションプロファイリング」を活用し、あるべき姿(To-Be)に向けた一貫したシナリオを描いています(Voice 4, 6)。
  6. ⑤ サステナビリティと事業の統合
    事業運営そのものをプログラムとして管理し、持続可能性を軸にした全体最適化を図っています(Voice 5)。
  7. ⑥ コーポレート部門の変革「管理のための管理」から「戦略実行のための支援」
    管理業務において「手段の目的化」から脱却し、全社戦略に紐づいた価値創出を目指す取り組みにP2Mが有効です(Voice 7)。

  1. 3. 調査分析から見える変遷と特徴
    2009年版と2025年版の事例比較により、全社レベルでのP2M活用の進化が明確になっています。
  2. ① 目的の変化:
    従来の「プロジェクトの遂行力・品質向上」から、現在は「価値創造・戦略実現・社会的成果」へと目的がシフトしています。
  3. ② プログラムの位置付け:
    複数のプロジェクトを単に束ねるだけでなく、「戦略を実現する“価値創造の器”」としてプログラムが定義されています。
  4. ③ 価値の定義:
    納期・コスト・品質といったQCDの充足から、「社会価値・将来価値」の創出が重視されるようになっています。
  5. ④ 象徴的キーワード:
    従来の「全体最適」「判断基準」に加え、現在は「ミッション」「ストーリー」「意味づけ」が全社レベルのマネジメントにおいて不可欠な要素となっています。

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本稿で紹介した内容は、あくまで一例です。本稿を読んで感じたことや、現場での違和感、「ここが腑に落ちた」といった感想を、200字程度でお寄せください。
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P2Mについて「もっと知ってみたい」「自分の仕事にも活かしてみたい」と感じていただけた方は、ぜひP2M普及・推進部会の活動にもご関心をお寄せください。
現場に根ざした実践知を共有し合う場として、皆様のご参加をお待ちしております。
活動形式や頻度:月1回、WEBでの開催(1時間程度)
参加方法:P2M普及・推進部会に関するお申し込み
お問い合わせ先:代表 藤澤 正則 こちらのQRコードからご連絡ください。
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 参加方法は様々な形での対応も問題ありません。
  1. ① 毎月フル参加する(アクティブ・メンバー)
    月1回のWEBミーティングに定例参加し、その場のリアルタイムな議論を通じて、実務の悩みを共有・解決したい方向け。
  2. ② 時々参加 + 査読・感想(フレキシブル・メンバー)
    都合がついた時だけWEBミーティングに顔を出し、欠席した時はオンラインジャーナルや資料のたたき台に対してメール等でフィードバックを送る形。
  3. ③ 査読・感想のみ(バーチャル・サポーター)
    ミーティングへの参加は難しいが、専門知識を活かして資料の誤字脱字チェックや「わかりやすさ」の感想を非同期で提供する形。
【備考】
本稿で取り上げた内容は、統計的な検証や理論実証を目的としたものではなく、現場で実践してきた個々人の経験に基づく知見を整理したものです。
(出典:PMAJ 「P2Mを仕事に活かしている方々の声」(2025年))
以上

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