図書紹介
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「夢をかなえるゾウ」
(水野敬也著、飛鳥新社発行、2007年09月26日、3刷、357ページ、1,600円+税)

デニマルさん:1月号

この本の著者である水野氏には、面白い経歴がある。学生時代に東京の繁華街で「ホメ殺し屋」なることをやっていた。人をホメちぎってお金(1分100円)を稼いでいたと紹介されてある。その後、執筆活動を始め処女作の「ウケる技術」(2003年7月発行、オーセス出版発行)がベストセラーとなり、今年3月に文庫本(新潮社)にもなっている。今回紹介の本は、夢をなくした主人公(サラリーマン)とガネーシャという象が登場し、サラリーマンに夢を叶えさせる物語である。ガネーシャとは、ヒンドゥー教の神の一種で、太鼓腹の人間の身体に象の頭をもち、障害を取り去り、財産をもたらすといわれる商業の神・学問の神である。そのガネーシャが主人公と生活しながら色々な課題を与える。その課題は、偉人や著名人の名言や成功の教えから紐解いて、これを実行すれば夢が叶える想定である。

夢をかなえる象   ―― 関西弁の象のファンタジー小説 ――
夢の中から突然現れたガネーシャという象が、何故か関西弁で語りかける。ガネーシャは元々神様なのであるが、この小説では煙草を吸うし、甘いものが好きである。落ち込んでいる主人公の生活態度を見かねて、夢を持たせるための課題を与える。毎日必ず実行することに意義があると、主人公は頑張ってこれをやり遂げる努力を重ねていく。全部で50の課題が与えれらが、当然読者に向かって発信された「夢を叶える」ための象の教えである。

夢をかなえる像  ―― 現実を打ち破る偉人の像 ――
先の課題のベースは、落ち込んでいる(夢を無くしている)主人公の現状を如何に打破するかにポインを置いている。だからその課題は、過去の偉人や英雄、著名人の言行録を参考にしている。巻末の偉人牽引には44名の記録と、38冊の参考文献が掲載されてある。この中に当然の如くガネーシャ(naNeza)も入っている。この共通点は「人は楽しいことしかできない」。それが結果として成功に繋がったのが偉人像であるとガネーシャが教えている。

夢をかなえるゾー  ―― 夢を実現する成功への道程 ――
夢を叶えるには、プロセスが重要である。夢が夢で終わらないためには、夢とは何かを具体化することである。夢を具体的な目標として、「何をいつまでにどの位実行するか」を紙に書いて分かるようにする。それを毎日見て実行して、その結果を記録する。千里の道も一歩からである。成功している人は、特別な人ではない。頑張ることが楽しいから目標に向かって何日も何年も努力できる。更に大切なことは、目標を決して諦めない。失敗しても最後まで諦めなかったから結果として成功した。だから夢が叶えられたと書いている。

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