関西例会部会
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第141回 関西例会レポート

PMAJ関西 KP 西 毅 : 7月号

テーマ 6次産業化プランナーという生き方
ライフスタイルダイバーシティ(生き方多様性)の時代に向けて
講演者 中崎 義己
日時場所 2018年6月8日(金) 19:00~20:30 大阪生涯学習センター

はじめに
 テーマ副題のライフスタイルダイバーシティを中崎様(以後講演者)は実践されている。
 その経緯と意義を農業を通して講演いただいた。

概要
 講演者は総合家電メーカーに研究職として入社し、その後ワークステーション開発、インターネットの普及が始まるあたりでのネット事業などにたずさわった。
だが、40歳を迎えネット事業は地に足のつかない天上(仮想)の世界での仕事であり、またネット事業創成期のベンチャー企業のフットワークの軽さを目の当たりにし起業するに思い至った。地に足つけた事業としてコメの販売で起業した。
だが商売の経験がなく、また貸出先が倒産するなどの不運もあり、資金が底をついた。
この時、まだ地獄を見ていないと言われた先輩起業家の言葉が身に染みた。
だが、講演者はこの後も起業時点からかかわっていた棚田保全のボランティア活動を続け文化的な田植え、早乙女田植えが最大手のネットポータルでトップ記事として取り上げられるまでになり、炊飯器メーカーとのイベントで田植え体験活動などのイベントも開催した。また農家と消費者を直接つなぎ合わせるマルシェ活動も実施した。
この活動を見て周りから講演者のしていることは、正に6次産業化プランナーだと言われた。
6次産業とは、農家が作物を育成、加工、販売することを言う。プランナーとして登録してからは、6次加工している農家の加工品の在庫管理を支援し、どの商品が売れていて作成を急がないといけないかや、現状の在庫金額が把握できるようになったと喜ばれた。
6次産業化プランナーは講演者のように農にかかわった経験がなくても、専門性を生かし一生続けられる仕事である。また農業は、ITのように大手企業が寡占している作業とは違い広い裾野で多くの機会がある将来性の高い産業である。
農業の機能を6次産業化法では、風土、景観保全、防災機能、勤勉、雇用創出、文化継承、気候、精神の安定化、教育効果と大変幅広く持つ。これにより多くのコミュニティが生まれる。そのコミュニティとつながりを持つ6次産業化プランナーは多くの点(セイフティーネット)で支えられるということで安定した職業であり、多くの方々に参加を促す。
6次産業化プランナー:6次産業化に取り組む農林漁業者の皆様の相談に応じてアドバイスを行うため、6次産業化サポートセンターに登録された専門家(農水省HP)

まとめ
 講演者の波乱万丈な人生体験とそこからつかんだライフスタイルダイバーシティを活き活きと話されるのは印象的でした。「どんなに大金が入ったとしても続けていくことはなんですか。それがあなたの本当のワークですよ。」は考えさせられる提言でした。

<講演の様子>

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