東京P2M研究部会
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【 Phase Free 】 フェーズフリーの提案

佐藤 唯行 [プロフィール] :8月号

 2011年に発生した東日本大震災以降、人々の防災意識はこれまで以上に高まり、防災に関する商品・サービスがさらに注目されるようになりました。また、様々な企業や団体でも、防災商品の開発・提供、防災関連サービスの提案が増えてきました。
 東日本大震災を例に挙げるまでもなく、日本は世界の中でも災害が多発する地域にあり、多くの大規模な災害を過去に幾度も経験してきました。その結果、進んだ防災知識・技術を持つに至った国でもあります。それにもかかわらず、過去の多くの災害の記憶はいつしか忘れ去られ、私たちは危険性の高い地域へ再び進出し街をつくり、日ごろから災害に備える習慣が定着しないまま日々を送り、新たな災害が起こった際にはまた同じように悲劇を経験するという、悲しい循環を繰り返してしまいます。
 市民や企業を問わず、大規模な災害の直後には防災意識は高まりますが、それが定着せず未来に活かされないのはなぜなのでしょうか? それは、災害時にどの様な困難が起こるかを、日常の生活の中でリアリティをもって思い描くことが、とても難しいからなのかもしれません。
 では、発想を変えてみましょう。
 私たちが生活を送る『平常時』と『災害時』という 2 つの時間=『Phase』について、この 2 つを分けることをやめてみるのです。私たちは、身の周りのあらゆるモノと一緒に、平常の Phase から災害の Phase へと連続的に突入していきます。このことに着目すると、私たちに必要なのは、防災のための特別なモノではなく、普 段の生活の中で自然に使え、さらに災害の際にも役に立つモノなのです。どちらの Phase でも役に立つように最初から認識されたモノやサービスではないでしょうか。

 平常時や災害時という Phase の制約から自由であること、Phase の間にある垣根を越えてどの様な状況下でも私たちの命や生活を守れること、これを『PhaseFree (フェーズフリー) 』と名付けましょう。

  『平常時』と『災害時』2つの Phase をまたいで活躍する商品やサービス、それらを生み出すアイディア。これらによって、どちらの Phase にも対応し安心して豊かに暮らせる社会   ―
そう、PhaseFreeな社会です。


  ご一緒に、 PhaseFreeな世界創りに取り組んでいただけないでしょうか。

(次回、『フェーズフリーの定義とフェーズフリー商品およびサービスの原則』)

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