東京P2M研究部会
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仕事ができる人の要件

梶原 定 [プロフィール] :7月号

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「事業を進める上で、仕事ができる人(社員)」は、どのような、要件を有しているか?
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「事業 (仕事) 」とは何か?
事業 (仕事) は、以下の属性 (特徴) がある。
1 ) 独自の成果物が、要求される。
2 ) 事業 (仕事) には、「始まり」と「終わり」と言う特定の期間がある。
3 ) 事業 (仕事) の規模にもよるが、チームを編成し、成果を達成する。
4 ) 事業 (仕事) の規模により異なるが、複雑性、不確実性、リスクが伴う。
5 ) 使用できる資源 (例 : 人、もの、資金、情報) 等の制約条件がある。

「仕事ができる人(社員)」は、どのような「要件」を、有しているか?
共通している「要件」は、①自らが前向きに考える自立型発想をもち、②チームとして働 (動) く事ができる人 (社員) 」である。大切なことは、標記の「要件①」と「要件②」の両方を備えている事である。
自らが前向きに考えチームとして動く前提条件として、以下のような人を「仕事ができる人」と定義する。
1 ) なすべき事は何か、そして何をいつまでにやらなければならないか判って、そして行動する。
2 ) 仕事の段取りを効率よく組み立て、進められる。
3 ) 仕事をする上で、優先度の高い作業は何かを、意識し、またリスクの高い作業は何かを把握する。
4 ) 節目、節目でチェックし、進められ、また仕事が正確である。
5 ) 仕事に漏れ・ミスがないか確認し進められる。
6 ) チームをまとめ、推進することが出来る。
7 ) 社内 / 顧客の信頼が厚く、最後までやり遂げられる。
8 ) 問題に対しては、成長できるチャンスと考え、前向きに取り組む。
9 ) 必要な知識がある。知識がなければ、貪欲に学び吸収しようとする。
10 ) 失敗を恐れず、新しいことに挑戦できる。
11 ) 最後までやりぬく。

それぞれの要件を、考察する。
1 ) なすべき事は、何か、そして、何をいつまでにやらなければならないか判って、そして行動する。
  この要件は、高い要件です。「仕事ができる人」の要件の50%を占める要件と考えられる。
実は、意外とよく知られていない。理解しているつもりでよく確認すると違っている事が多い。①今、何をしなければならないか? ②これから何をしなければならないか?
③どの様な結果を出さないといけないか理解していないし、判っていない人が、実は多い。
ポイントは、為すべき事は何か、又その作業は、いつまでに完了しなければならないかを、
把握し、識別しているかである。

2 ) 仕事の段取りを効率よく組み立て、進められる。
  仕事の全作業を把握し、自分がやるべき作業の効率を組み立てる事が必要になる。
その為には全体像を把握し、周りで、何がどのように執り行われているのかを、認識していなければならない。その為には、「マイルストーン」や「スケジュール」を知っている必要がある。何時、どの様な決定や、実行がなされるかを知っていることである。

3 ) 仕事をする上で、優先度の高い作業は何か、意識し、またリスクの高い作業は何かを把握する。
  仕事をする上で、優先度の高い作業は何かを、意識して仕事をしている限り、問題は、最小化出来る。現実は、それでも起きるが、その場合、関係者の了解を得る事ができる。
ここでのポイントは、仕事を着手する前には、「作業の優先度を見極める」事が大切になる。
なぜか? 問題を作り出してしまう事が多いからである。

4 ) 節目、節目でチェックし、進められ、また仕事が正確である。
  これは、ミスをするかしないかという事。仕事の場合、ミスは、「事前の確認不足」と「準備不足」から生じる。事前に、押さえるポイントは、What (何) を、When (いつまでに) を、具体的に、把握できていれば、ミスの50%は、防げたのと同じである。残りの50%は、How (どのように) 実施し結果はどうだったのかの確認、及び「残件」の整理と手配ができて、その仕事の 1 クールがおわる。
この 1 クールが、キチンとできていれば、仕事上ミスなく正確にできるといわれる。
  仕事が「正確」である事が続くと、あなたに対する信頼感は、アップする。

5 ) 仕事に漏れ・ミスがないか、確認し進められる。
  誰でも、多かれ少なかれ、「漏れ・ミス」はある。では、「漏れ・ミス」は、どの様にして、また、どの様な時に発生するか? たとえば、「未経験の仕事」や「複雑な仕事」を進めていくと「漏れ・ミス」に、気付くことがある。多くの人が関わり、複雑な開発の仕事の場合には、「漏れ・ミス」が発生する。
  必ず、「漏れ・ミス」があると言う前提・意識で作業を進める方が良い結果を生む。
そこで「漏れ」対策について考える。対策は、「確認項目」を明確にし、意識的に、必ず「漏れ・ミス」があると言う前提で、確認して行くことで、多の「漏れ・ミス」は、解消される。
そのためには、仕事を進める上で「確認項目」の洗い出しが、重要となる。
  「確認項目」の洗い出しのコツは、①まず「何をやらなければいけないかを明確にし、項目として書きだす。」、②「過去の経験を活かす」、③「有識者を活用する」等が、あげられる。

6 ) 「チーム」をまとめ、推進することが出来る。
  この要件は、リーダーシップである。チームをまとめ、人の使い方が、上手な人は、貴重な人材である。 一般論だが、事業(仕事)を進める上で、「誰か、チームをまとめて欲しい」と思っている人は、多い。なぜなら、チームをまとめるには、やはり、それ相応のスキルが必要だからだ。業務や技術的な事を教えられる環境はあるが、リーダーシップ・マインドを教えられる 環境は、少ない。その為、チームをまとめ、リーダー的なスキルを持っている人を探すのは、大変になる。ともすると、「チームの一員と一緒に仕事をしているだけ」になってしまう。
  チームのリーダーの役割と、チームの一員としての役割は、全く異なる。
  企業、又は組織、企業の経営方針により、「年齢」や「立場」を重視する場合もあるが、内容が伴わないと、チームは上手く回転しない。
  では、「どの様な能力があれば、チームがまとまるか?」を、考える。
  ポイントになる項目は、「何をやらなければいけないかを明確にし、作業項目一覧をあらわした (* WBS) があり、作業項目内容の状況説明ができること。
  「問題が、生じた時、現在、何が問題なのか」、具体的に、WBSをベースに、状況説明ができること等が、あげられる。
  (注) WBS (Work Breakdown Structure) とは、プロジェクトの目的達成のために、スコープや作業項目などの実行すべき全ての作業項目を、効果的な計画や管理を行うのに必要なレベルまで、階層的に分割・細分化し、プロダクトに基づいて、体系的に階層組織化し、相互関係をあらわしたものである。
  事業 (仕事) をする上で、WBSをベースに、優先度の高い作業は何かを、意識し、また、リスクの高い作業は何かを把握し節目、節目でチェックし、進めることができるようになる。
  仕事をする上で、優先度の高い作業は何か? 意識して仕事をしている限り、問題は最小化される。
実際は、それでも起きる。
  ポイントは、事業 (仕事) を着手する前には、必ず、WBSを作成し、「作業の優先度を見極める」ことが大切になる。なぜか? 問題を作り出してしまうことが多いからである。

7 ) 社内 / 顧客の信頼が厚い人とは?
  社内の信頼が厚い人とは、どの様な人でしょうか?
  一般的には、「あの人に、事業 (仕事) を任せておけば、大丈夫」と社内で成果・実績を出し、関係者や上司からも評価されている人と、ここでは定義する。
  もう少し具体的に、考察すると、
 ‐ 期待されていること、なすべきことをしっかり、認識、把握している人。
 ‐ 成果を出し、組織の目標を達成できる人。
 ‐ 進捗の状況を、キチンと捉え進める事ができる人。
 ‐ 問題が発生しても、状況を把握しタイムリーに対応できる人。
 ‐ 事業 (仕事) で必要な (指示・報告・アドバイス) ができる人。
以上の項目が、「社内の信頼」を得るためには必要である。
  更に、「面倒みが良い」ことも大切。 社内の信頼を得ることができれば、協力をえられるようになり、信頼が得られると、事業 (仕事) が、進めやすくなるからである。
  顧客の信頼が厚い人とは、どの様な人でしょうか?
  顧客が、どのような「期待、不安、不満」をもっているか、しっかりと、把握し、対応できる人。
  顧客の信頼が厚いと、色々な情報が得られ、迅速な対応が、容易になり、更なる信頼を得る事が得やすくなります。

8 ) 問題に対しても、成長できるチャンスと考え前向きに取り組む。
  人は、できれば、「問題」とは、関わりたくない。「本来やるべきこと、やらなければならないことに、時間を使いたい。」その為、それ以外のことに時間を取られたくない。
要は、関わりたくないと考える。
  問題にもよるが、問題が生じても、誰かが解決してくれるだろうと考えていると、被害が拡大し、気がついた時には、手遅れになる状況になる。
  対応としては、問題が生じた場合の、対応ルールを決め、対応することを、勧める。

9 ) 必要な知識があること。知識がなければ、貪欲に学び吸収しようとすること。
  事業 (仕事) をする上では、事業 (仕事) をこなす知識が必要である。これは、当然の事だが、事業 (仕事) をする上で、必要な知識は、かかせない。
  誰でも、新規事業や、人事異動や転職した場合、未経験の分野の知識が、必要になることに遭遇する。
  このような場合の対応だが、まず、知識がなければ、貪欲に学び吸収しようとすること。
つぎに、「事業 (仕事) の概要、全体の流れ、WBS」をベースに、仕事を進める上でのポイント、注意事項等を把握し、相談者、上司に、協力依頼をリクエストし、対応していくことが大切である。

10 ) 失敗を恐れず、新しいことに挑戦できる。
  この要件は、できる人と、出来ない人がいる。一般的に、「新しい事」にチャレンジすることは、「怖い」ものだ。新しい事は、リスクが見えにくく、リスクが存在すると判断するからである。
  一般的に、人は、誰でもリスクは、とりたがらない。このような状況になった時、リスクをとって行動する姿勢は、高く評価される確率が高い。
  このような場合、「失敗が、自分を成長させ、ステップアップにつながる」と信じて実践し、この経験を次に、活かしていくことを勧める。

11 ) 最後までやりぬく。
  プロジェクトなど難しい仕事を成功させ、結果を出すということは、簡単なことではない。
特に、定常的な業務であれば、やり遂げられるが、新規性の高い事業 (仕事) では、困難をともなう事が多い。
  ここで「最後までやりぬく」とは、「納期」、「品質」等の顧客の要求・計画を順守して、遂行した状態を「やりぬく」事をいう。大切なことは、事業 (プロジェクト) の完了基準を明確にし、完了基準書を作成し、対応することが大切である。


おわりに
「仕事ができる人 (社員) 」になると、どの様な効果・効用が、得られるか。
事業 (仕事) を進めるうえで、以下の項目、1 ) ~ 8 ) が、出来るようになる。
  1 ) 仕事上の「失敗や、ミス、漏れ」などを最小限に抑える事ができるようになる。
  2 ) 社員が、スキルアップできるようになる。
  3 ) 問題に対しては恐れることなく、素早く対応できるようになる。
  4 ) チームの一員として、力を発揮できるようになる。
  5 ) コストダウンができるようになる。
  6 ) 社員が、タイム・マネジメントをできるようになる。
  7 ) 社内 / 顧客の信用を得ることができるようになる。
  8 ) 自信を持って、事業 (仕事) に打ち込めるようになる。


以上

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