東京P2M研究部会
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2015年度調査研究テーマ
ビジネスとプロジェクトを組み合わせたプログラムマネジメント
「縦組織」から変化柔軟性のある「縦と横がつながる組織」に変えていく

東京P2M研究会 デリア食品株式会社 藤澤 正則 [プロフィール] :5月号

 東京P2M研究会も2015年4月より新年度になり、今年度の研究テーマを検討中である。現在、進めようとしている研究テーマを紹介する。

1. はじめに
 事業組織は、戦略に基づき、組織が構成される場合と組織に合わせた戦略を組む場合があるが、どちらもビジョン、方針に基づき、目的を達成するためにある。
 事業環境は、少し長い視点で振り返ると、20世紀と21世紀では大きく変わったと考えられる。21世紀になると、情報の効率的活用、検索力、個人発信力が可能になり、情報が閉鎖系から開放系に変化したことが考えられる。しかし、組織体制は、以前と変わらず、また、個人の意識も変わっていないのではないだろうか?

2. 組織について
( 1 ) 決められたことをぴったりきちんとするために適切な縦組織
 20世紀は、道具や機械化により業務の効率化が進み、役割や組織の分業化でも効率化が図られた。情報は、企業や専門家、公共から発信されることが中心であり、また、組織内での情報は、ウォーターホールのように上から流れていく形になっている。

図 1 縦の組織体制
 図 1 縦の組織体制

( 2 ) 現状における縦の組織の課題
 決められたことをぴったりきちんと行うには、適切な縦組織も、事業環境の変化する中で、機能しない事例が出てきている。
ゆっくりとした環境変化であれば、一旦決まった要件が変化しても対応できるが、短期間に変化すると、対応できなくなる。
要件を決められない場合は、進まない。
決まった通りが長くなると、組織が硬直化しやすい。
従って、新たなことを決めて進める場合、総論は賛成していても、各論は今まで通りになる可能性がある。

( 3 ) 変化柔軟性のある縦と横のつながりの組織
 要件を決めても、時間とともに変化する可能性があることを前提にした場合、縦と横のつながりの組織を考えると、情報が枠組みを超えた形で流れるため、結果として変化柔軟性がある組織になる。

図 2 縦と横がつながる組織
 図 2 縦と横がつながる組織

3. 調査研究内容について
( 1 ) どのようなプログラムを構想すると、スパイラルアップしながら、変えていくことができるかについて調査研究を行う。
( 2 ) ビジネス (サービスモデル) を行いながら、縦の組織から縦と横がつながる組織に変えていくことをプログラムとして考えた場合、どのようなプロジェクトを仕掛けて、実現していくことがよいかの調査研究を行う。
キーワード
ミッションプロファイリング、3Sモデル
場の構築、方向性、言葉の定義、ありのままの姿、あるべき姿、課題の抽出
情報の整理整頓、予習と復習、ITの活用
期間
 2015年4月~2015年10月

4. 最後に
 東京P2M研究会は、様々な業種業態のメンバーが参加し、共通テーマ、個別テーマの持ち寄り、自己研鑚の場になっている。興味のある方は、是非参加していただけると幸いである。

以上

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