東京P2M研究部会
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新しい時代、長寿社会の到来に備える生涯生活設計の作成と
トータルライフ・マネジメント

梶原 定 [プロフィール] :12月号

長寿社会の到来
現在、我が国は、世界でも前例のない高齢化の進展、出生率の低下による少子化により、人口減少と高齢化のスピ-ドが速まり、「少子超高齢化社会」を迎えつつある。我が国の高齢化率は、1994年に14%を超え2010年には23.0%となり、高齢化率は、団塊の世代が75歳以上となる年には、高齢者人口が急速に増加し、全人口に占める65歳以上の高齢化率が、世界でも類をみないスピードで高まっている。

我が国の平均寿命の伸び
平成24年簡易生命表によると、我が国の平均寿命は、医療体制の充実、医学の進歩、生活水準の向上等により、平均寿命の伸びは、めざましく平成24年は、男性が79.94歳、女性が86.41歳となった。
現在、私達は、人生100年時代の長寿社会の出発点に立っている。

社会状況の変化と今後の課題
急速な少子高齢化社会への進展により、様々な社会状況の変化が発生している。
  1 ) 今後、大きな影響を受ける年金、医療、介護、雇用等の社会システムの再構築の対応、
  2 ) 社会のグローバル化による競争の激化のなか、高度情報化社会の進行による産業社会構造の変化による、生活への影響度への対応。
雇用も就労の多様化が進み、高齢者を、「すでに役割を終え、社会から支えられるもの」という従来の「高齢者」観は、実態とそぐわないものとなっており、今後、生じる様々な課題を解決していく上で、多くの高齢者が、様々な場面で活躍できる社会の構築が必要となっている。

社会状況の変化に伴う生活環境で生ずるリスク
そのためには、人生のライフサイクルで生ずる、誰にでも訪れるリスク事象を予測し、リスク事象のインパクトを考察し、対応策を考察することが必要になる。
日常生活の中で考えられるリスクとしては、以下の事象が考えられる。
  人生を通して訪れる3大不安(貧困、病気、孤独)。
  加齢から生ずる肉体的機能の低下や生活習慣病(癌、脳血管疾患、心臓病など,生活スタイルが要因となって発生する諸疾病)、並びに後期高齢者(75歳以上)の発症率が高い認知症などへの対応。
  職業生活の変化から生ずる精神的健康問題等への対応。

豊かな高齢期を迎えるためのトータル・ライフプラン(生涯生活設計書)の必要性とその準備
長寿社会を迎えようとする現在、生涯生活設計が必要な背景は、
  人生100年の長寿社会に突入しており、老後の生活期間が長期化していること。
  急速な少子超高齢化にたいする社会システムの対応が遅れていること。
  公的年金、医療保険、介護保険の財政が逼迫(ひっぱく)している事。
  生活の多様化による消費水準が上昇していること。
  高齢期人生の四半世紀及ぶ自由時間への対応が求められていること。
長寿社会の到来は、高齢者だけの問題にとどまらず、すべての世代の人々が、長寿という新たな社会を迎えるにあたり、生き抜くことを意味しており、人生100年時代を想定し、自らの人生を①健康で、②経済的に豊かに、③充実し生き生きとした人生を、いかに構築し生きるか、トータルライフプラン(生涯生活設計書)を策定し、トータルライフ・マネジメントを確実に、実行することが求められている。

トータルライフプラン(生涯生活設計書)のポイント
個人一人一人が、①健康で、②経済的に豊かで、③生きがい(働きがい)、④余暇生活(キャリア開発計画)、⑤家庭生活、⑥地域との生活の6つの分野において、生涯生活設計書を作成し、遂行していくことが大切となる。

おわりに
これらの変化に対応していくためには、将来を見据えた対応が待ったなしに必要となっている。
そのため、個々一人一人が充実した、豊かな人生を過ごすために、「現状のありのままの姿(現実)を認識し、現状の課題を俯瞰し、将来に向け、ありたい姿を見据え、生涯をとうして、自己責任のもと、悔いのない充実した人生をいかに過ごしていくか」、トータルライフプラン(生涯生活設計書)を作成し、自らの人生を総合的にマネジメントするP2Mの発想をベースとした「トータルライフ・マネジメント」の実行が求められている。

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