協会理事コーナー
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「PMAJとの出会い」

富士通株式会社 城川 淳 [プロフィール] :5月号

 私のPMAJとの出会いは2010年秋、会社の同僚に誘われて参加したIT-SIG (注) のコアメンバー会議でした。
 実は、それ以前にもPMシンポジウムには毎年参加していました。しかし、その当時の私はPDU獲得目当ての、動機が不純な参加者のひとりであり、おそらく似たような参加者の大半と同様に主催者であるPMAJがどのような団体なのか、具体的にどのような活動を展開しているのかほとんど知りませんでした。もちろん、P2Mの何たるかについても全く理解していませんでした。したがって、PMAJと私の出会いは2010年ということになると思います。

 今、思い返してみると、この年は私のサラリーマン人生の中での大きな転換期でもありました。私はベンダーSEとして色々なお客様を担当させていただきましたが、入社以来32年間一貫してシステム開発プロジェクトの現場で泥臭くプロジェクトの管理に取り組んできました。ところが、2010年から遡ること何年か前に、自分の担当プロジェクト現場に専念するあまり、パブリック貢献不足という理由で、社内で認定されたPMプロフェショナル資格を失効してしまいました。その後、資格を再取得後に二度と失効しないようにパブリック貢献活動として取り組むことにしたのが社内のPM教育講師でした。それから、現場とPM教育講師の二束のわらじを何年か続けた後、誘われて教育部門に異動したのが2010年6月でした。そして、その延長線上でPMAJとの関係が始まったのです。

 このような経緯で出会う事になったわけですが、PMAJと私のお付き合いは単なるビジネスライクなものにはなりませんでした。なぜならば、冒頭に書いたPMAJとの最初の出会い、IT-SIGコアメンバー会議で、今でもはっきりと覚えていますが、それまでに経験したことのない強烈な印象を受けたからです。この会議はIT分野を対象としたSIG活動全体の方針や進め方、その配下の各WGの活動状況について自由に意見交換するものですが、何よりも、参加しているPM先達の奥深く、縦横無尽(?)な発言内容に大きな特徴がありました。
 初めは、議論についてゆくのがやっとで、議事録を作成するために正確にメモを取ることに四苦八苦していました。しかし、次第に、正確な議事録作成よりもテンポの良いトーク・バトルを楽しむことの方がこの会議の主旨に合っているのではないかと考えるようになりました。おそらく、他の参加者のみなさんも同様に感じているのではないでしょうか。

 現在、残念ながら、参加者の高齢化による離脱等により会議のあり方自体を見直せざるを得ない状況になっていますが、私がPMAJとお付き合いするきっかけになったこの会議には非常に愛着があります。そして、この会議から拡がった多彩な人の輪が自分自身の貴重な財産になっていることに深く感謝しています。


( 注 ) SIG : Specific Interest Groupの略 (プログラム・プロジェクトマネジメントの特定領域に関してPMAJ会員有志が結成する自主研究・開発・普及グループ)

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