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PMシンポジウムを終えて

ITベンチマーキングSIG代表 : 富士通株式会社 城川 淳: [プロフィール] :10月号

 2012年度のPMシンポジウムも盛況のうちに幕を下ろしました。参加者数は昨年度を上回り、参加者アンケート結果も良好でした。ここでは、私が担当するIT-SIGの立場から今回のPMシンポジウムを振り返ってみることにします。
 IT-SIG(IT-Specific Interest Group)は「IT分野にかかわりのある企業・組織に共通なPMにかかわる問題・課題を取り上げて、広く社会に提言し解決して、IT産業の発展とPMの向上に貢献する」ことを目的とした活動で、現在、6つのWGが活動しています。
 今回のPMシンポジウムでは、2日目のセミナー・ワークショップに4WGが登壇しました。講演内容についてはPMAJジャーナルに掲載予定ですので、ここでは私が参加した2つのセミナーについて、会場の雰囲気や参加者の感触をお伝えします。

1.「平時のPM力と有事のチーム力」
 2002年以降、これまでパートナー満足やメンタルヘルス等のテーマに取り組んできた「PS研究会」(松尾谷、松田、増田)からの発表です。
 IT-SIGのセミナーの中では最も多い100名以上の参加者を集めましたが、このセミナーで特に印象的だったのは、参加者が10cm四方の2枚の色紙を使ってセミナーに参加したことです。グリーンが賛成(or YES)、ピンクが反対(or NO)です。たとえば、講師からの「PMがリーダシップを発揮できない理由は、管理作業に忙殺されているからだという意見がありますが、あなたはどう思いますか?」という質問に対して、参加者がどちらかの色紙を頭上に掲げ、会場全体の傾向を確認するのです。このような質問を織り交ぜながら、プロジェクマネジメントにおける有事の対応や、ITシステム開発を取り巻く環境変化について成果発表を進めて、最後にチームビルディングについての事例発表で締めくくりました。
 セミナーは2時間半の長丁場でしたが、講師からの一方的なプレゼンだけではない全員参加型であったこともあり、テンポ良く、変化にとんだ内容で会場を飽きさせなかったと思います。もちろん、居眠り(?)をする参加者は見当たりませんでしたよ。

2.「ICT分野への実践的P2M適用について」
 こちらは「IT分野でのP2M活用研究WG」(服部、佐藤、白井)からの発表です。
上記セミナーとは対照的に30名余の小さな会場でしたが、まさに満席。また、このセミナーは今回のIT-SIGセミナーの中で最も旬な内容だったのではないかと思います。というのも、WGが丸3年かけて執筆した「IT分野のためのP2Mハンドブック」が直前に完成して、そのお披露目の場になったからです。ハンドブックは374頁/2,200円(+税)の大作です。そして、なんと参加者には出来立てのハンドブックが1人1冊配られました。(PMAJ 太っ腹!)
 当ハンドブックは「P2Mガイドブック」の内容をわかりやすくすることを狙ったもので、事例を充実させました。したがって、セミナーでも前半のP2Mの解説に加えて、事例紹介にかなりの時間を割きました。これまで「P2Mガイドブック」は難しいとのお言葉を頂いていましたが、このセミナーの内容は非常にわかりやすいものでした。参加者アンケートでも、「P2Mが理解できた」、「P2Mが身近なものに感じた」、「ハンドブックをもらえてラッキー! もっと勉強します」との感想が寄せられました。参加者数こそ少なかったものの、充実した内容で大成功だったと思います。

 IT-SIGとしてはこの他に、「「場」の発見~暗黙要件を見つける方法論」(根上、板倉)、「実践!なぜなぜ5回(階)」(小原、尾崎)が活動成果を発表しました。上記セミナーと同時間帯開催のため、残念ながら私は参加できませんでしたが、どちらも盛況であったと聞いています。なお、「実践!なぜなぜ5回(階)」の「TPSに学ぶPM WG」は2006年に開始して以降、毎月1回、これまでに76回開催しており、毎回、PMシンポジウムでも成果発表を続けていることを補足しておきます

 IT-SIGの扉はいつでも開かれています。現在活動中のWGに興味を持たれた方、あるいは新たなテーマで活動してみたい方、気軽に声をかけてみて下さい。会員でない方もご参加いただけます。そして、PMシンポジウムで活動成果を発表しましょう。
そういえば、今年6月、新たに「PM事例問題集研究WG」がスタートしました。きっと来年のPMシンポジウムでは、このWGも講演陣に仲間入りするはずですので、ご期待下さい。


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