朝活セミナー
先号   次号

「身近な課題とP2M」 ~介護とP2M~

竹田 直規 PMR (Advanced PMR Club会員) : 7月号

1. プログラムマネジメントとPMRが広く認知されていない理由
私は、2003年にPMS、2009年にPMRを取得し、PMR取得後は企業内外で主にR&Dプロジェクトに携わってきました。プロジェクトのKickoffで、社外の方と名刺交換をした時に「PMRって何ですか?、プログラムはプロジェクトの事ではないのですか?」と問われる事が多く、残念ながら「プログラムマネジメントとPMRが広く認知されている」という実感を得る事はありませんでした。この理由は色々な要因があると思いますが、列記してみると・・・
( 1 ) P2M資格は民間任意資格なので、国家資格のように職務の実践を規制する事ができない。
( 2 ) 現状のプロジェクトは、従来のやり方(既存の組織運営と個人的頑張り)で何とかなっている。
( 3 ) P2Mのテキスト等が、一般論的な記述なので、実務に適用する際のイメージが湧きにくい。
( 4 ) 実践事例がP2Mの体系に展開されていないので、P2Mを適用する際の参考になっていない。

2. 「身近な課題とP2M」をテーマとした動機
残念ながら前述の(1)の対応策はありませんが、これからは「働き方改革」や「ワークライフバランス」が重要視され、今までとは価値が大きく変わりつつあるので、前述の(2)の今までのやり方でプロジェクト活動を続ける事は不可能となります。企業は、P2Mを適用しプロジェクトを効率的に実行する事が求められますが、P2M(特にプログラムマネジメント)は広く認知されていません。そのため、前述の(3)(4)の対応策の一つとして「身近な課題とP2M」を作成し、プロジェクト関係者に広める事にしました。この活動は、Advanced PMR Club「認知向上分科会」の一つのテーマとなっています。

3. 介護とP2M
「身近な課題とP2M」の事例として、まず「介護」を選びました。介護は切実な課題であり、介護疲れや介護離職により、介護される側より介護する側の生活や人生が破綻してしまう例が後を絶ちません。又、介護施設の一部の不適格な職員による暴行事件も発生しています。介護は、その状況が千差万別であり、さらに介護サービスも種々雑多なので、最適な介護を行うのは一筋縄では行きません。P2Mの「プログラムマネジメント」の「3S(スキーム/システム/サービス)モデル」に介護を当てはめて考えて、介護をいきなり個人で行う事は無理で破綻する事に気が付く必要があります。
介護が始まる前に、家族の関係性と利用可能な介護保険サービスを確認し、スキームモデルを作成する事から始めます。システムモデルとサービスモデルは、「ケアマネジャー」に依頼して、既存の介護サービスを利用します。介護スキームが的確に出来ると、介護する側の負担を最小限にしつつ、介護される側の生活の質を保つ事が可能となります。
「介護とP2M」は「新P2Mクラブ(3/15)」と「朝活セミナー(6/26)」で発表しました。

介護とプログラムマネジメント

介護とプログラムマネジメント

ページトップに戻る