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「教える」ということ

株式会社エイチアイ・シス 石川 博子 [プロフィール] :5月号

すっかり、新緑の季節を迎えまして、草花は街に彩りを添えています。通勤電車でも、新入社員らしき人たちがいて、彼らの新鮮さをうらやましく感じています。
 私は、ITといわれる分野でソフトウェア開発に従事し、自らも多くの開発プロジェクトに携わってまいりました。その経験から、ソフトウェア開発の技術研修のご依頼を受けることがあります。
 ちょうど、この時期、その新入社員技術研修などをお手伝いする機会がありますが、その時に痛切に感じることは、ソフトウェア開発の場で培われたものを伝えることや教えることは、現場で開発することとは、別な才能が必要だということです。
 教えるということは、正しい知識を伝えるということと、受講される方の反応に応じて伝え方を変える必要もあります。また、受講される方がインプットするだけではなく、自ら考え、アウトプットできるように理解を深めていただかなければなりません。
 研修事業に関わっていらっしゃる方からすると当たり前のことですが、技術研修に携わる方には、現場の方もいらっしゃいます。その方々が最初に戸惑うところかもしれません。 しかし、その方々が「インストラクション」について、学び、トレーニングすることで、自らも研磨され、新しい自分を発見することができるでしょう。人に教えることで受講生の方々の成長を目の当たりに見ることができ、うれしくもあります。
 私が、今年携わった研修のあるクラスでは、全員が講師一人一人に、出社時と退社時に丁寧に挨拶をしていました。「教えていただき、ありがとう。」と言った想いが伝わり、とても感動しました。今も、その光景を思い出すと胸が熱くなります。新入社員の皆様には、 今の新鮮な気持ちを忘れないでいただきたいと思ってやみません。
 私自身、時間が経ってしまうとつい忘れがちになってしまうことも、今、この時期に思い起こさせていただき感謝しています。
 また、この機会に、「自ら考える」習慣も身につけさせたいところです。
 社会人として上司に報告したりする場面でも、答えを待つのではなく、自分の考えを伝え、現場で学んでいく姿勢がほしいものです。
 教えるということを通じて、学ぶことの多い今日この頃でした。

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