芝: |
自在氏さん日本では「出る杭は打たれる」というのが常識化しています。でもあなたのように優秀な方は「出る杭」として叩かれたのでしょうね |
自在: |
いや、私も人間ですから叩かれたら、精神的に参ってしまいます。でも、仕事をするということは、どうしてもでしゃばる場面が出てきます。そこで考えました。でしゃばっても「叩かれない杭」があることに気がついたのです |
芝: |
魔法の杭でしょうか |
自在: |
簡単です。人の嫌がる仕事をするのです |
芝: |
例えば何でしょうか |
自在: |
お客さんに「叱られに行く」仕事です。
会議で「お客さんが怒っているよ」と問題が出されると、誰も行きたがりません。私はそこで質問をして問題点を少しずつ把握していきます。これらの質問で次第に本質に近いことが見えてきます。すると皆は「自在氏さん、あなた行ってくれませんか」と言いだしっぺに難問解決を押し付けます。 |
芝: |
そこでどうしますか |
自在: |
無理々々行かされた実体を演出します。「私で駄目でしたら、誰々さんお願いします。誰々さんお願いします」と後で悪気地を言いそうな人物にお願いします。ここが裏技です。「文句を言うなら、お前やれよ」といえる状況をつくっておくのです。 |
芝: |
なるほど。それで! |
自在: |
この機会は次々にやってきます。その時に「XXさん、今回はお願いします」とやります。すると「いや、残念ながら緊急の仕事をしているので期待に添えなくて残念だ」と言う答えが返ってきます。若し、影ででも悪口を言ったら次回はお前だよというプレッシャーを与えておきます。人の嫌がる仕事をすることで、叩かれなくなります。 |
芝: |
よく分かりました。ところで表業は何でしょうか |
自在: |
表業は問題を正しく解決することです。問題が解決できない場合は顧客に叱られっぱなしです。これは出る杭ではなく、解決しなくてはならない杭です。それでも「問題が解決」してしまえば影口は言われますが、裏技のお陰で叩かれなくなります。その上顧客との信頼関係ができますと、別な杭を持つことになります。 |
芝: |
それは何という名の杭ですか。 |
自在: |
「出すぎた杭は叩かれない」という杭です。これで表業が身につきます |
芝: |
分かりました。
第二法則:「出すぎた杭は打たれない」ですね。
ありがとうございました |