【A-2】 なぜITシステムのトラブルは減らないのか
事例に学ぶシステム高信頼化へのアプローチ
9月2日  11:05~12:20  特別講演  
 講演者 独立行政法人情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター
所長 松本 隆明
 セッション概要 我々の社会活動はもはやITなくしては考えられない時代となり、その信頼性や安全性の確保は、安定した社会経済活動を遂行する上で必要不可欠となりつつある。
しかしながら、社会活動を支えるITシステムのトラブルは年々増加する傾向にあり、社会インフラサービスの障害により、何万人もの利用者に影響をもたらす事故が数多く発生している。さらには、IoTの爆発的な進展やビッグデータの活用などITシステムを取り巻く環境は近年急激に変化しつつあり、より一層複雑化、大規模化するITシステムの高信頼化はますます困難となることが想定される。情報処理推進機構ソフトウェア高信頼化センター(IPA/SEC)では、実際に発生した最近のITシステムの障害事例を分析し、教訓の形にとりまとめて公開し、それを再発防止に活用頂くことで、社会インフラの高信頼化を目指す活動を行っている。本講演では、具体的な障害事例やそこから得られた教訓を紹介するとともに、システム思考に基づく安全性解析手法STAMP(Systems-Theoretic Accident Model and Process)等、現代のシステムで求められる新たな高信頼化手法についても概説する。
 講演者略歴
松本隆明氏
1978年東京工業大学大学院修士課程修了。
同年日本電信電話公社(現NTT)に入社、オペレーティング・システムの研究開発、大規模公共システムへの導入SE、キャリア共通調達仕様の開発・標準化、情報セキュリティ技術の研究開発に従事。2002年に株式会社NTT データに移り、2003年より技術開発本部本部長。
2007年NTT データ先端技術株式会社常務取締役。2012年7月より独立行政法人情報処理推進機構(IPA)技術本部ソフトウェア高信頼化センター(SEC)所長。博士(工学)。
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