P2M研究会
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PMシンポジウム2012を終えて

東京P2M研究会 渡部 寿春: 10月号

 暑さの続いた夏もシンポを境に収まったように思います。当研究会として初の試みとなるワークショップ「総論賛成各論反対」を制すP2Mの技も無事終えることが出来ました。総論賛成各論反対は、プロジェクトの立上げや運営の局面で良く遭遇する推進の壁です。勿論、意見の相違が現れることは悪いことではありません。全ての組織は現場の個別部署から成り立つため個別の意見が出るのは当然です。しかし、場合によってはこの壁によりプロジェクトが頓挫することにもなります。合意形成の一形態であるこの課題は、どの局目にも適応可能な成功率100%の答えは無いと思うのですが、総論には賛成しているとの前提があった上での各論反対に対してP2Mのソフトシステムアプローチ(SSA)を応用する構成としました。

 SSAは、簡単に言えはビジョンを共有し問題を構造化することで明示し、それぞれ違う立場から検討することを通じて折り合いにより合意形成を行う方法です。これだけだと、「~なんだ、普段でもやってる、大したことじゃないな」と思うでしょう。確かに、普段意識せずやっていることなのです。だだ、注意が必要なのは、折り合いと妥協の違いです。総論賛成といっておきながら、面倒だから一応OKと言ったとか、面倒だから自分の意見を表さずに合意したとか、兎に角、いやな奴だから反対しているとか、自分の利益を守るために反対しているとか、変わりたくないから反対している、等、何方でも思い当たることがあるのではないでしょうか?SSAは、ビジョンを共有し問題を構造化し、違う立場から検討することで関係者の総意を結集することなのです。現場にしか分らないことがあります。個別の現場の総意を折り合いによりまとめること、それがSSAなのですが、これを丁寧にやっているかと問えば、「普段やってる」と思うでしょうか?「最後は権限のある人の一喝で決まり」、や、違う立場からの検討がないために決裂、といったことも多々あるように思います。

 今回のワークショップを通じて、ガイドブックに書かれてあることを具体的な状況設定で現すことの重要性を感じました。小劇場に参加頂いた方々と有意義な時を過ごすことが出来たことを感謝しております。又、地域P2M研究会の皆様と交流を持てたこともシンポの収穫です。みなさん、就業状況の厳しさを話されながらも、力むことなくコミュニティーを形成し地域活動や業務への応用に前向きに取り組まれています。P2M研究会だが、P2Mに拘らない。仕事が良くなれば何でもいい。P2Mが役に立つなら色々くっつけて良くしていきましょう。資格に拘らずやりましょう。気分一新で平成24年度後期は、研究報告書を作成したいと思います。

お気軽にご参加下さい。
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